協進の革

2023.04.01 UP

「革=エコロジー」って、本当!?

太古の昔から、私たちの祖先は、狩りをして動物の肉を食べることで、空腹をしのぎ、生きるために必要な栄養を摂取してきました。そして「肉を食べた後に残った皮を、そのまま捨てるのはもったいない」という発想のもと、それを生活の中で活用することとなります。つまり革という素材は、そもそもの始まり自体が、エコロジカルな考え方に基づいて生まれた素材なのです。

※ここでは鞣す前のものを「皮」、鞣した後のもの「革」と表記しています。

はじまりから、ずっとエコ。

そこからただ捨てるだけだった皮を、防寒具や居住用のテント、水やお酒の貯蔵袋など、さまざまなカタチで使い始めます。しかしそこには問題がありました。それは「時間が経つと腐ってしまう」ということです。それを解決するために「干して乾燥させる」という方法をとりました。そうすると今度は、皮が硬くなってしまい、使い勝手が悪くなるという壁に当たります。しかしさらに知恵を絞り、手でもんだり、動物や植物からとれる油を塗り込んだりすることで皮を柔らかくし、カタチをつくれるようにして、少しずつ便利に活用できるように工夫していきました。

その後人類はついに「鞣す」という技術と出会います。たまたま木の下に置いてあった皮に樹液が垂れ落ちた結果、腐ることなく、また柔らかい状態を保てることが発見されたというのがよく聞かれる説。紀元前に描かれた壁画の中にも、皮を鞣している様子が描かれていることから、非常に長い歴史を有していることが分かります。


あるべき地球の未来のために、革が貢献できる部分があると信じています。

皮革産業に関わる業界関係者の中では、革が食肉の副産物だということはもはや当然のこととして認識されています。しかし残念なことに、まだ一部で「皮を得ることを目的として、動物を狩っている」という誤解が世間的には残っているのが現状です。

私たち人間が畜産を行い、動物の肉を食べる限り、必ず皮は残ります。もしそれを革製品として使わなければ、焼却や埋め立てなどの手法で廃棄する必要が生じ、結果的に環境に負荷をかけてしまうのは明白な事実です。

現在では「Thinking Leather Action」をはじめ、国内においても革に対する正しい知識の啓蒙活動が進んでいます。「革製品を選ぶ」という行為自体が、エコロジーでサスティナブルな選択であるということを、私たち協進エルも、発信・周知しつづけていく所存です。